ガチャっと寝室のドアを開けると、花莉と目が合った。
その子の目は少し赤くなっているように見えて……泣かせてしまったんだと思った。
…やっぱり傷つけてた。
泣かせた罪悪感に支配されそうになりながら花莉へと近づくと目を逸らされて。
下を向く彼女。
ベッドの上に持ってきた物を置いて、「傷見せて」としゃがみ込む。
そう言えば花莉はパジャマのズボンを捲って、言われた通りに傷を見せてくれた。
…痛そうな傷。
思った以上に広範囲に傷があって、きっと盛大に転けたんだろうと予想。
傷に榊から渡された消毒液をかけると顔を歪める花莉。
この傷で痛くないわけねぇもんな。代われるもんなら代わってやりてぇくらい。
消毒が終わると余分な液をティッシュで拭いて。
絆創膏を貼ったら完成。
傷の手当をする時、一言も話さなかった花莉。
…謝んねぇと。
そう思い花莉の顔を見ようとしたら、ぽたりとこぼれ落ちた雫。



