…少しもだめなの、って……。
花莉は榊と話してぇと思ってんの?
あいつは絶対まだ花莉のことを好きなのに。
お前はそれをわかってて榊と話してぇの?
それは…さすがに
「…花莉、お前俺の彼女だっていう自覚あんの?」
自分でもびっくりするくらいの低い声。
花莉はすぐに申し訳なさそう表情になって
「…ごめんなさい」
小さな声で謝る。
…花莉には、俺の気持ちなんてわかんねぇのかも。
そのあとは何も言わず、部屋から出た。
後ろからもう一度謝る声が聞こえてきたけど、一切振り返らずに…。
部屋を出てからは、なんてことを言ったんだっていう後悔しかなかった。
今の言葉、俺の態度、絶対花莉を傷つけた。
今の言い方はさすがにないんじゃねぇの。
今の態度は絶対花莉を怖がらせたんじゃねぇの。
でも、花莉に彼女としての自覚がねぇのかも、と思ったのは少し本当だ。
花莉が榊と話してぇとか思うから、泊めたいとか言い出すから…。



