花莉が風呂から出てきたのは数分後。
赤い頬、それから急いで出てきたのか濡れた髪をタオルで拭きながらリビングへ。





可愛い姿を榊には見せたくなくて、俺は花莉の手を取るとすぐに寝室に連れていった。




…つーか、風呂から出てくんの早すぎじゃね?ちゃんと温まったのか心配になるレベル。




ぽすん、とベッドの上に座らせてから




「ドライヤー持ってくるから、ここで乾かして。
あと、今日はもうここの部屋から出るの禁止。わかった?」




じっと花莉を見つめてそう言った俺。

花莉をここの部屋から出したくなかったのは榊に風呂上がりの花莉を見せたくなかったから。それと、榊と花莉を一緒にいさせたくなかったから。




俺は、もうかなり我慢して頑張ったと思う。
だけど彼女はそんな俺の気持ちもわからずに




「…少しもだめなの?」




潤んだ瞳でそう聞いてきた。