少しして部屋に到着した花莉と榊。
榊だけではなく、花莉もまさかの……びしょ濡れ。しかもなんかすげぇ制服が汚れてる。




「転んじゃって…」




驚いていたら、えへへと笑う花莉。
俺は彼女の腕を引っ張って




「花莉はすぐ風邪ひくから風呂はいってこい」




と言って背中を押して部屋の中へと押し込んだ。
一応、花莉が出てこないように玄関のドアを押さえつける。




今、ここには榊と俺の2人。




「ごめん、夜瀬!!」




頭を下げて謝る榊。




「…今すぐ帰れ、お前なんか泊めねぇ。
そう言いてぇけど花莉に怒られるから…今日は仕方なく泊める。1泊だけな。今後二度とねぇから」




そう言えば榊は顔を上げて。
それでも申し訳なさそうな表情。




「…本当に感謝してる」


「…花莉に手ぇ出すな。もし、そんなことがあればすぐ殺す。
これがここに泊める条件」




部屋に入る前にそう言うと榊は「…わかってる」と返して。
俺と榊も部屋の中へ。