ピルルルルルル

私のスマホの着信音が鳴り響くたびに、



「詩優っ!!喉乾いたから飲み物買いに行こうっ!!」


私は詩優の腕を引っ張って、この場を移動。




朝の登校の時間はいつもより早めにしてもらって、下駄箱で空木さんと会わないように。
各授業の合間の休み時間は協力者である空木からの連絡で今いたところから離れる、そんな努力をした。





だけどそれを繰り返すと鋭い詩優はだんだん怪しんできているようで…。

自販機に詩優を連れてきた私は、引っ張られるようにして彼に空き教室へと連れてこられた。




「なんかあっただろ」




じっと私を見つめる詩優。




空木と手を組んで今日はまだ1日目。
まさかの…気づかれた!?




私はそんな彼から目を逸らして、「な、何も…?」と知らんぷり。




「俺の目、見て言って」




ぐいっと顎を持ち上げられて無理矢理目を合わせられる。
彼の目はまっすぐに私を見つめて…、私の心は焦るばかり。