…組むって…?
な、仲間になるってこと…!?
「絶対や─────────」
断ろうとした時、
ピルルルルルル、と私のスマホの着信音が鳴った。
電話だ。
電話なのに……私のスマホは今空木の手の中。
「連絡手段を簡単に人に渡すから~。警戒心無さすぎ」
本日3度目、再びケラケラと馬鹿にするように笑われた。
「か、返してっ!!!」
スマホを取り返そうとしてもそう簡単に返してくれなくて、スマホを持ったまま手を挙げられてしまった。
一生懸命背伸びしても空木の背が高くて手が届かない。
「俺と組もうよ。そうしたらコレ返してあげる」
なんて性格が悪い男。
つくづく苦手だ。突然変なことを言うし、痴漢するし。そんな男の言うことなんて聞きたくもない。
「絶対やだっ!私は雷龍の姫で、裏切ることなんてするわけないっ」
「あー、違う違う。そっちじゃなくて、乃愛のほう」
…乃愛のほう?
私はピタリと動きを止める。それと同時に切れてしまった着信音。



