世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




だから、カーテンを開けてから詩優の耳元に顔を近づけて



「起きないとチョコあげないから……っ!」



少しだけ大きな声でそう言った。

すると、彼はゆっくりと目を開けてくれて……。












「……くれんの?」




寝起きの少し掠れた低い声。

なんだか色っぽくてドキッ!と心臓が跳ねた。




「お、起きなかったらあげないもん…っ」




ぷいっと顔を逸らすと、詩優は起き上がってくれて。
眠そうに目を擦って、大人しく座る。




それから私と目を合わせて




「…起きた」




そう言って力ない手で私の手を握る。
握られたのは紙袋を持っていない方の手。





ドキドキドキドキと心臓が激しく鳴る。
詩優に聞こえてしまわないかすごく心配だ…。




そんなこと気にするよりも…!渡さなくちゃ…!




「あ、あのね……これ、詩優に渡したくて作ったの」




詩優へと差し出したのは紙袋。
緊張のせいで手が震えてしまって余計恥ずかしくなった。