だから、カーテンを開けてから詩優の耳元に顔を近づけて
「起きないとチョコあげないから……っ!」
少しだけ大きな声でそう言った。
すると、彼はゆっくりと目を開けてくれて……。
「……くれんの?」
寝起きの少し掠れた低い声。
なんだか色っぽくてドキッ!と心臓が跳ねた。
「お、起きなかったらあげないもん…っ」
ぷいっと顔を逸らすと、詩優は起き上がってくれて。
眠そうに目を擦って、大人しく座る。
それから私と目を合わせて
「…起きた」
そう言って力ない手で私の手を握る。
握られたのは紙袋を持っていない方の手。
ドキドキドキドキと心臓が激しく鳴る。
詩優に聞こえてしまわないかすごく心配だ…。
そんなこと気にするよりも…!渡さなくちゃ…!
「あ、あのね……これ、詩優に渡したくて作ったの」
詩優へと差し出したのは紙袋。
緊張のせいで手が震えてしまって余計恥ずかしくなった。



