世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





さらに驚く明日葉。
驚きすぎてあんぐりと口を開けて固まっている。



「なんで言うんだよ!!!倫也の馬鹿野郎!!!!!!」



アキくんは真っ赤な顔で倫也の両肩を掴みながら前後に体を揺する。




私はそれを見て、
…よく、明日葉が倫也にやるやつだ
なんて心の中で思ったり。




「俺、一応、先輩で、しかも、幹部、だから」




アキくんに体を揺すられながらそう言う倫也。
でも、アキくんはよほどショックだったのか止まらない。



「アキと倫也は中学の頃から仲良かったんだと。まぁ、その頃はもちろん倫也が暴走族なんて知らなかったみてぇだけど」




詩優がそう教えてくれる。




「そうだったんだ…!!」




だから倫也はアキくんの好きな人を知ってたんだ。




「…あゆちゃん、ってどんな子なんだろう」




ぽつりと呟くように言ったら、




「倫也の妹」




と返ってきた。




「い、妹!?」




予想していなかった言葉に思わず大きな声がもれた私。
慌てて自分の口を手で押さえた。