…確かに、今聞こえた。
詩優は“尊敬”だって。
じゃあ……
じゃあ!!!
アキくんは恋のライバルじゃない!?
私の心には安心感が広がって、だんだん心が軽くなっていく。
ライバルじゃないんだったら私が詩優にくっつく必要もない、よね!!
そう思い詩優の腕に抱きついていた腕を解いて、繋いだ手も離そうとした。
けれど、詩優はそれを許さないみたいでぎゅっと強く手を握る。
「離れんの禁止」
彼にそう小さく言われた。
どうやら、手は離してもらえないみたい。
「えーーーーーーーー!?」
明日葉の大きな声が聞こえてきて、ドキッと跳ねた心臓。かなり驚いているようだ。
それを見た倫也は口を開いて。
「明日葉は野生のゴリラだからずっと気づいてないけど、アキはあゆに惚れてんだから~」
「あーーーーーーーーー!!!!!」
アキくんが慌てて叫ぶ。
だけどもう…全て言ってしまったあと。



