大きな声で言ったから、車内にいるみんなが私に向ける。「お願いします」と頭を下げる昴くん。
じっとアキくんとを見ると目が合って。
「よ、よろしっくおねあいしまぁすっ!!!」
そう言ってあからさまに動揺していた。
気のせいか、顔を赤くしているような…。
これは、完全に……
“詩優の彼女”という言葉に動揺している。
やっぱり、アキくんは詩優が好きなんだ…っ
私はぎゅっと詩優の腕に抱きついて、アキくんを見る。けど、すぐに目を逸らされてしまい…私は見せつけるように詩優にくっついていた。
「すみません。
アキは女子に免疫がないので、あんまり見られると…」
昴くんがそう言った瞬間、アキくんからぽたりと赤いものが滴り落ちた。
それは、鼻から垂れたもので…。
は、鼻血!?
「こ、これ使って…っ!?」
私はポケットに入れておいたティッシュを出して、アキくんに差し出す。
「あ、あ、ありまとうごぜぇまっ」
アキくんがそのポケットティッシュを受け取ろうとしたら、指が触れて─────────。
アキくんの鼻からはさっきよりもたくさんの血がぽたぽたと垂れていく。



