声のした方───教室の扉へと目を向けると、関根さんと一緒にそこに居たのは…
金髪でショートヘアの、詩優が助けた女の子。
その子はきょろきょろと教室内を見て、詩優を見つけると手を振って。
「詩優先輩っ!!!!お弁当作ってきました!!!良かったら受け取ってくださいっ!!!」
と、にこにこ笑顔で大声で言う。
だから、一気に教室内にいたみんなの注目の的に。周りの人たちは話すのをやめて、あの子を見てから詩優を見て。
私の心は焦るばかり。
だって……今日は寝坊したせいでお弁当をつくることができなかったんだから。
…よりによってなんでこんな時に。
詩優は優しいし、今日は私のお弁当がないから受け取ってしまうかも……
そう考えると嫌な汗が出てくる。
私は詩優が動くよりも早く立ち上がって。
「だめっ!!!!私が彼女なので…っ!!!」
女の子がいる扉へと向かって大きな声で言った。



