世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ









チャイムが鳴るのと同時に教室へと駆け込んだ私と詩優。
ぎりぎり遅刻回避。




…間に合ってよかった。




ほっとしながら自分の席へと向かおうとしたら、廊下側の1番前の席に座っている関根さんと目が合って。




「2人ともおはよっ!」




と笑顔で挨拶をしてくれた。
それがなんだかすごく嬉しくて、




「おっ、おはようっ」




私もすぐに挨拶を返す。




「妃芽乃さん、今日は髪巻いてないんだね?」




そう言われて、私は慌てて手ぐしで髪を整えた。
私の髪は今、すごくぼさぼさだから。




寝坊してしまったせいで髪を巻く時間もなく、車の中で手ぐしで整えただけの髪。今日は少し寝癖がついてしまっている。




だからあまり見られるのは恥ずかしい。




「寝坊しちゃって…」




私がそう答えるのと同時に「席に座れー」と担任の先が教室へとやってきた。




「またあとでね」




関根さんはそう笑顔で言って手を振ってくれて。
私も手を振り返して、自分の席へと向かった。