言い終えると、詩優は私へと手を伸ばして。大きな手が頬に触れる。
触れた手はすごく熱くて、私の体温をもっと上げていく。
「花莉は昨日、榊のところでどうしても会計したかったほど話したかったんだもんな?連絡も取りたいよな?
花莉は“冬樹くん”のこと大好きだし」
わざと意地悪な言い方をしてくる詩優。
おそらく…というか、絶対、昨日のことを気にしてる。
スーパーでのお会計の時に、冬樹くんのところに並んだこと……
確かに、私のあの行動で詩優を不機嫌にさせてしまったわけだけど……そこまで言わなくてもいいんじゃないか…。
詩優だって……
「詩優だって女の子と話くらいするくせに…」
ぽつりと小さく呟くように言った私。
どうしても、このまま私だけ意地悪をされるのは納得がいかなかった。
そう言う詩優のほうが女の子と話しているところを見る。実際今日だって…あの子に抱きつかれて、告白だってされていた。



