世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





そこまでして私をここから出したくないんだ…っ
昨日、キス100回って言ったのは詩優なのに…っ!!




「詩優っ!!熱いっ!!出してっ!!」




必死にそう言ってみるが、詩優は




「おやすみ」




と言うだけ。
出してくれる気配がない。




もう一度口を開こうとしたら、布団越しに振動が伝わってきた。




たぶん、というか絶対これは私のスマホ。
私しか寝室にスマホを持ってきていないから。




「詩優っ!!!私のスマホ、今振動した!!!誰かから急用の連絡かもしれない!!!」




“急用”と強調して必死にアピール。
スマホをみたいフリをするのは、布団から出たいから。




詩優はそんな私の魂胆がわかるみたいで、




「メールなら明日でいいだろ。まじの急用の時は電話かかってくると思うから、もう寝ような」





全然動いてくれない。





「詩───────」


彼の名前を呼ぼうとしたその時。









ピルルルルルル

と私のスマホの着信音が鳴った。