世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





次に指先にキスしようとしたところで、詩優はぎゅっと手を握る。
まるで、私にキスされないように指先を隠すかのよう…。




「…キス、まだ100回もしてない」




ムッとしながら詩優を見つめたら、私の下にいたはずの彼が動いて…。

私の体はぽすん、とベッドへと倒れた。




「っ!!」




起き上がった詩優はそれをチャンスだと言わんばかりに、私を布団の上で転がしてぐるぐる巻きに…。

あっという間に柔らかい布団に包まれた私。




まるで、海苔巻きのようだ。





「花莉巻きの完成」




そんな詩優の声が聞こえてくる。




…なっ!?なんでこんなこと…っ!!!
っていうかすごく熱い…っ!!!




さっきまでキスしてたから、熱がこもってすごく熱い…っ!!!




必死に体を動かして脱出しようとしたが……
出られない。

転がろうとしてもそれはできなくて…。




ぎゅっと力を感じるから、詩優が布団ごと抱きついて私の動きを封じているのだろう。