次に指先にキスしようとしたところで、詩優はぎゅっと手を握る。
まるで、私にキスされないように指先を隠すかのよう…。
「…キス、まだ100回もしてない」
ムッとしながら詩優を見つめたら、私の下にいたはずの彼が動いて…。
私の体はぽすん、とベッドへと倒れた。
「っ!!」
起き上がった詩優はそれをチャンスだと言わんばかりに、私を布団の上で転がしてぐるぐる巻きに…。
あっという間に柔らかい布団に包まれた私。
まるで、海苔巻きのようだ。
「花莉巻きの完成」
そんな詩優の声が聞こえてくる。
…なっ!?なんでこんなこと…っ!!!
っていうかすごく熱い…っ!!!
さっきまでキスしてたから、熱がこもってすごく熱い…っ!!!
必死に体を動かして脱出しようとしたが……
出られない。
転がろうとしてもそれはできなくて…。
ぎゅっと力を感じるから、詩優が布団ごと抱きついて私の動きを封じているのだろう。



