あの子は詩優にお礼がしたいから名前を聞いただけなのに…。

心が汚い、だめだな…私




「はぁ…」




ため息をついた時、指に熱いものが触れた。




「っ!!!」




反射的にその熱いものから手を離し、ゴトンっと床へと落ちる。

最悪なことに、ヘアアイロンの熱を持ったところに指が触れてしまったみたいだ…。




急いでヘアアイロンを拾って、いったんスイッチを切る。




だめだな……私。




机の上にヘアアイロンを置いて、床が傷ついてないか確認したけど…大丈夫そう。




…良かった。
指、氷で冷やさないと……





私は立ち上がり、リビングへと向かおうとした時スマホが振動。

こんな朝早くに何かと思い、画面を開けてみると【夜瀬詩優からメールを1件受信】と表示されていた。





詩優は昨日、女の子を助けて部屋へと帰ってから、急遽用事ができてしまったため出かけて行った。朝起きたら帰ってきてるかなとか思ったけど、詩優はまだ不在。