花莉side




詩優は私だけを助けてくれるわけじゃない。
困っている人がいたら、きっと助けに行くだろう。




私は詩優の優しいところが大好き。
大好きなのに……





どうしてこんなに心がもやもやするんだろう。





私は、あの女の子が詩優から助けてもらってから帰るまで、ただ見ていることしかできなかった。





私にできることなんてなかったけど…。
『大丈夫?』とか心配の言葉すらかけてあげられなかった。





だって、あの子がずっと……
頬を赤く染めて、キラキラした目で詩優を見ていたから…。

だから、何も言えなかった。





連絡先の交換はしていなかったけど、名前は教えてた。
夜瀬詩優、って。





私はいつからこんなに器が小さい最低な女になってしまったんだろう。