「大丈夫か?」 詩優は座り込んでいる女の子に手を差し出す。 すると、座り込んでいる金髪でショートヘアの女の子は 「王子様だ…」 と小さく呟く。 「ん?」 「あ、すみません…」 「立てる?」 「は、はいっ」 女の子は詩優の手に掴まって、ゆっくり立ち上がる。 キラキラとした瞳で詩優を見つめて、頬を赤く染める女の子。 誰かが誰かを好きになる瞬間 私はその瞬間を、今、目の前で見た気がした。 花莉side.end