「袋1つ持つ!!」



詩優が両手に持った買い物袋。
それを奪おうとすればムスッとした表情で見られた。




「帰ったらキス100回、忘れんなよ」




そう言って、ものがあまり入っていない軽い方の袋を私に渡してくれた。




き、キス100回!?
ほ、ほんとにするの!?




詩優のことだから、からかって言った可能性もあるよね!?
1日で100回もキスするなんて、さすがに…ね?そんなに1日でたくさんキスする人なんてきっとこの世にいないよね?




「詩優っ」




必死に声をかけたら彼は「おやすみのキスあるも含めて101回か」と口角を上げる。




「詩優っ、あのね、き…キスは、1日2回で十分だと思うんだけど…、」




もちろん2回というのは、おはようとおやすみのキスのこと。今はその2回でもドキドキするし、それだけでも私の心臓は破裂しそうなんだ。




それ以上キスしたら心臓が本当に破裂してしまう。