最後に薬を飲んだあとは……



「寝るか」



再びベッドへと戻されそうになる。



「やだっ…!寝たら詩優がまたいなくなっちゃう…」



必死に抵抗しようとしても体に力が入らない。
力が入ったとしても詩優にはかなわないけど…。




「俺は花莉のそばにいるから」


「……絶対?」





「あぁ。絶対」


「……おんぶして連れてって」





「1回だけな?
どーぞ。姫さま」




背中を向けて目の前にしゃがんでくれる彼。
その背中に飛び乗ると、




「危ねぇから大人しくしてろ」




怒られてしまった。

けど、嬉しくて。
体がふわふわして。
楽しくて。







詩優の背中は落ち着くからたくさんたくさーーん甘えていたと思う。