舌打ち…聞こえたような…
さっきと全然態度違うし…
副総長?
ハッカー?
へ…?
私は状況についていくことができなくて、ただ瞬きをして見ていることしかできない。
「雷龍には腕のいい優秀なハッカーがいるからな」
詩優がそう言うと、京子は後から「もっと褒めていいのよ」と自慢げな表情。
一方で、痴漢男は
「どんまい久我」
笑いながら久我渉という男の背中を叩く。
「雷龍はまだ、玄武とは抗争しようなんて考えてねぇから安心しろよ」
詩優はそう言ってから靴を履き替えて。
私のところまで来るとぎゅっと手を握る。
「帰ろ」
私は詩優に手を引かれて昇降口を出て、校門を出たところに止まっているいつもの康さんの車へと乗り込んだ。
新学期、何やら色んなことが起きる予感。



