世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





ちゃんと校則を守っているから、真面目な人なんだろうか。
でも、痴漢男と知り合いっていうだけで危ない人のような気がする。




気をつけないと…、と思ったら真面目そうな男は痴漢男へとかけよって。
何かと思ったら、いきなり頭を下げた。




「すみません!!空木が何か失礼なことをしたみたいで……。
僕たち、まだ入学して間もなくて…ずっと浮かれてて……ちゃんと気を引き締めますので今回は見逃してやってもらえませんか!?」





痴漢男のために必死に頭を下げる真面目なそうな男。

この状況からして…、きっと2人は友達なんだろう。こんな痴漢男のために頭を下げるなんて…、なんて心優しい人なんだ。




少しだけ感動していたら、




「久我 渉(くが わたる)、お前が“玄武”の副総長兼ハッカーか」




詩優が頭を下げている真面目なそうな男を指さした。
すると、「チッ」と舌打ちする音が聞こえてきて。真面目なそうな男は顔を上げて、詩優たちを睨みつけながら




「…分かってたのか」




さっきよりも低い声で言う。