そのあともまたくっついて歩いて、テーブルの前の椅子に座るように誘導され、大人しく座ると隣に詩優が腰を下ろした。




「まずは冷却シート貼ろうな。おでこ出して」




詩優の言葉に従って、自分の前髪を手でどけると、すぐに冷たい冷却シートがおでこにぺたりと貼り付ついた。




ひやり、

すぐに伝わる冷たさ。
自分と温度が違いすぎて、冷たすぎて、ぎゅーっと目を瞑る。





「ほい、あーん」




それから耳に届くのは詩優の声。




「…ふーふーは??」



『冷ましてくれた?』という意味。
おそるおそる聞いてみると
「した」
と答えが返ってきたから、安心して口を開いた。





口の中に入ってきたのは柔らかくて食べやすい、優しい味の卵粥。

すぐに目を開いて詩優を見つめ、もぐもぐ口を動かして、ごくんと喉に流し込む。




「美味しい!」


「良かった」




優しく微笑んでくれる詩優はどんどん私に食べさせてくれた。
デザートのプリンまで。