世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






詩優と2人で2組の教室へと足を進める。
同じ教室に、2人で。




いつもは詩優が私を教室に送り届けてくれて、そのまま帰ってしまうからなんだかすごく新鮮。




これからは同じ教室で、同じ授業を受けて、学校にいる間もずっと詩優を見ることができる。
なんて幸せなんだろう。




嬉しくてにこにこしたまま黒板に貼ってある席順が書いてある用紙を見ると、残念なことに詩優とは離れてしまっていた。

最初は出席番号順みたいだから、仕方ない。





この1年間の中で、いつか詩優の隣の席に座れたら、なんて。
そう思っていたら、





「夜瀬くん、妃芽乃さん!!おはよっ!!」





女の子の可愛い声が聞こえてきた。




女の子らしくて、高くて
かなり特徴のある声。




…その声を、以前聞いたことがあるような気がした。




ちらりと声のした方を見ると、可愛らしい女の子が笑顔を向けていた。




ぱっちりした目に、色付いた唇、セミロングの茶髪が綺麗に巻いてあって、ゆるくツインテールに縛っているすごくおしゃれな女の子。