世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






1年生は3階、2年生は2階、3年生の私たちは1階。
だから昇降口から歩いてすぐ、1組の教室が見えた。




各教室の前に新しいクラス名簿が張り出されているため、たくさんの人が集まって賑わっている。




でも、詩優が来たら……
みんな一瞬にしてクラス名簿の前から去っていく。ついさっきまで張り付くように新しいクラス名簿を見ていたのに。




今ではみんな後ろの方で詩優を見ている。
中には顔を赤くしながら詩優を見ている女の子まで……。




…詩優は総長だし、女の子からはモテモテだもんね。
さすが、モテの王様。




詩優と私は前へと足を進めて、ありがたく1番前で1組のクラス名簿を見させてもらう。




な、名前、探さないと……




1組のクラス名簿を見ると、心臓が破裂するんじゃないかと思うくらいバクバクと暴れる。




名前があってほしいような、
まだ出てこないでほしいような……




不安で、ぎゅっと詩優と繋いだ手を強く握ると握り返してくれる。