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学校に到着すると、ドキドキバクバクと暴れる心臓。
緊張しすぎて手も足も震えてくる。
「緊張しすぎ。正夢にはなんねぇから大丈夫だって」
昇降口で履き替える詩優にそう言われた私。
新しいクラスがあまりにも心配だった私は、さっき車の中で今朝見た夢の話をしたんだ。
詩優は私を安心させようとしてくれているけど、不安は消えない。
だって、本当に正夢になってしまうかもしれないんだから……
そう思いながら靴を脱いで履き替える。
すると、詩優はぎゅっと私の手を取って。するりと指を絡めて恋人繋ぎに。
「あのなぁ、夢で見たことは誰かに言えば正夢にはなんねぇんだよ」
そう言って頭を優しく撫でてくれる彼。



