ちゃんと校則を守って学校に来ている人なんてほんのひと握りだ。
クラスでは確か、私と京子だけだったような…。
私よりもっともっとスカートの丈が短い人が学校にたくさんいるのに、この長さで『短い』と言われるのは納得できない。
「…短くないもん」
「短ぇ。元に戻す気がねぇなら昨日みたいに痕つける」
痕!?
き、昨日みたいにって…!!!太ももにつけるってこと!?
昨夜詩優につけられたキスマークは、隠すのに苦労した。
首筋につけられた痕は目立たないように化粧で誤魔化して、太ももにつけられた痕は見えないようにスカートの丈で隠して。
痕がなければもっとスカートを短くしたかったくらい。
でも、これ以上短くすれば痕がみえてしまうため、いつもよりスカートの丈少しだけ短くした。これ以上つけられたら大変だ…
「そ、それより、もう下に行こう!!」
いつも部屋を出る時間の4分前。
私は逃げるように鞄を持って部屋を飛び出そうとした
─────が、それを詩優が許すはずがなく手首を掴まれてぐいっと引き寄せられた。
次に瞬きをした時には、私は詩優の腕の中。
「!?」
「妃芽乃さん、校則破る悪いコだったんだ」
耳元で聞こえてきた詩優の声。
“悪いコ”
その言葉を聞いた瞬間、手汗が出てくる。
そして、思い出すのは今朝見た夢。私が悪い子だったから1人だけクラスが離れてしまった、あの夢……。



