世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ









「だめ。可愛すぎ」



部屋から出る5分前、派手すぎないコーラルピンクのリップを唇に塗っていたら、後ろから詩優にそう言われた私。




「…へ?」




くるりと振り向けば、手に持っていたリップを詩優に奪われて。

私の唇は下唇だけ色がついた状態となった。





「そんな可愛すぎたらすぐ誘拐される」





手に持ったリップの蓋も詩優に取られて、蓋を閉じられる。





…朝起きてから髪を巻いて、薄すぎるくらいのナチュラルメイクをして、制服のスカートをいつもより少しだけ短くして。

朝から頑張ったんだけど…詩優を起こした時も、ココアを飲む時も、何も反応してくれなかった。





だから、もしかしたら気づいていないのかも……とか思っていたんだけど……

ちゃんと気づいていてくれたみたいだ。




しかも今、『可愛すぎ』って…




そう言われたのが嬉しくて、気持ち悪いくらいにやけてしまう。