「花莉」
詩優が私を呼ぶ。
顔を上げると、ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれて。
「これから毎日購買でプリン買ってやるから泣くな」
優しい声でそう言ってくれる。
…プリン……
それはすごく嬉しい……
みんなとクラスが違うのはすごく悲しいけど……
泣いても喚いても現実が変わるわけではない。
だから……現実を受け止めないと……
こぼれそうになった涙を手で拭って、こくんと頷いた私。
「休み時間は会いに行くし、昼休みには迎えに来る」
「……うん」
「寂しくなったらメールして」
「…いっぱい送る」
「じゃあ、またあとでな」
「…うん」
それから私はみんなに見送られながら、1人寂しく3組の教室へと入った。