どうしよう…
と、思ったら
「花莉がキスしてくれたら退く」
と言った彼。
しかも余裕たっぷりな表情で。
私が恥ずかしがるとでも思ってるんだ……
き、キスくらい私からもできるのに……!!!
私は目の前の彼の頬を両手で包み込み、ぐいっと引き寄せる。
詩優の整った顔が近づくと、唇に触れるだけのキスをひとつ。
それからぐいっと詩優の胸を押したらちゃんと退いてくれて。
心臓が破裂しそうなくらいドキドキしている私は、逃げるように急いで起き上がり、走って部屋を出た。
明日から新学期。
だから絶対遅刻するわけにはいかない。早くお風呂に入って、早く寝なくては…!!
花莉side.end