「「……」」



静かになる空間。



…なんてことを言ってしまったんだ……
……恥ずかしすぎて死んじゃうよ…




逃げようにも、私の上に詩優が覆いかぶさっているから逃げられない。

ここは、もう、何事もなかったかのように寝るしかない…!!
あとは明日の私に託そう…っ!!




「…オヤスミナサイ」



手で顔を隠したまま目を瞑った。




早く寝なくちゃ

早く寝なくちゃ

早く寝なくちゃ



頭の中でその言葉を何回も何回も連呼する。




それでも都合よく一瞬で寝られることなんてできるはずがなくて、耳に聞こえてきたのは「ふっ」と笑う詩優の声。




それから、




「襲ってもいいなら襲うけど?」




とからかうように言ってくる。




「だ、だめ…っ!!」




私は顔を隠した手をどけて、彼にそう返す。

すると、口角を上げた彼と目が合って、




「俺が花莉を襲うのがだめなら、花莉の気が向いた時に俺を襲って」





ぽんぽんと私の頭を撫でる。