詩優の声はすごく真剣で……。
途端に恥ずかしくなってくる。
詩優はあの痴漢男に触られたところを消毒してくれて、忘れさせようとしてくれただけなのに……
私は何を考えているんだ。
するのかな、とか
下着何色だっけ、とか
『すぐ終わる』
って言うのも変なふうに考えて……
本当に恥ずかしい。
穴があったら入りたい……
恥ずかしさのあまり何も言えないでいたら、詩優は私から離れて。
じっと見つめてくる。
「…っ」
それが今はすごく恥ずかしくて、耐えられず私は手で顔を隠す。
…今は、今だけは見ないでほしい。
……部屋は暗くてわからないと思うけど、私、今絶対顔赤いから。
なんていう私の願いも虚しく…。
「顔見せて、花莉」
なんて言ってくる彼。
な、な、なんで今…!?
見てほしくないのに…っ!!
「…む、無理です」
必死にそう答える私。
だけど詩優は諦めてくれなくて。
私の手首を掴んで、どけようとしてくる。
い、今はだめなんだってば…っ!!
「詩優とここでするのかなとか、下着の色何色だっけとか考えてたなんて恥ずかしすぎるもんっ!!!!」
……あれ?
今、思ったことが聞こえたような…
え?
私、今……
声に出してた!?



