「いや、でもさすがにないか。顔は上玉だけどおっぱいがないんだよなぁ。
触った感じは普通に柔らかかったけど、さすがに暴走族のトップがコレで満足するはずがないもんなぁ」
ぶつぶつと呟く男。
その呟きは、私たちの耳に普通に聞こえている。
ぐさりと心に刺さるその言葉。
……前にも言われたけど、また言われた…。
そんなに私って……姫に見えない…?詩優と釣り合ってない……?
そう言われたのが悔しくて、悲しくて。
目に涙が溜まっていく…。
詩優は痴漢男の掴んだ手を離して
「…───────────失せろ」
怒りを含んだ低い声が倉庫内へと響く。
詩優の後ろにいる私でもすぐにわかるが、かなり怒っていて……殺気全開。私でもゾクリと背筋が凍ってしまうほどの声だった。



