「っ!!!!!!」
恥ずかしくて、足を掴まれたままスカートの裾を必死におさえる。
けれど、今度は太ももに手が添えられて……
気持ち悪くて鳥肌がたつ。
この手を振り払わなくちゃいけないのに、1歩も動けなくて…声も出ない。
助けて……っ
そう思った時に、痴漢男の手がとある人物に掴まれて。
私の足が痴漢男の手から離された。
痴漢男の手首を強く掴んでいるのは、
私の大好きな人
─────────詩優だ。
走ってきたせいか少し息を切らしながら、目の前の痴漢男を鋭い目つきで睨む。
「し、ゆ…っ」
必死に詩優を呼ぶと、彼は痴漢男の手を掴んでいないほうの手で私の手を引いて。
詩優の背中へと誘導された。
ぎゅっと詩優の服を掴んで、背中から痴漢男を見ると、なんだか少し驚いた表情を浮かべていた。
「あんたが“シユー”ってことは……
その守られてるちっこい雷龍ちゃんが姫ってこと?」
詩優と私を交互に指さす。



