「…総長は今不在でな。話があるのであれば俺が聞く」
怒りを含んだ低い声がこの場に響く。
その声は竜二さんの声で、眉間にシワを寄せながらドアから出てきた。
竜二さんは京子を痴漢男から見えないように倫也の背中へと隠してから、1段ずつ階段をおりていく。
だけど、痴漢男は少しも怖がっておらず……
大きく口を開けて、欠伸をひとつ。
「あたしのこと忘れんなーーーーっ!!あの時はよくもやってくれたなーー!!!!」
だだだだだっ
と勢いよく走って階段をおりていくのは明日葉。竜二さんを抜かして、先に痴漢男のもとへ。
「さっきちっこい雷龍ちゃんのサイズと一緒に思い出したんだけどなぁ。確か、Bの──────────」
明日葉のサイズを言いそうになって、
「あーーーーーーーーーーーー!!!!」
「だめーーーーーーーーーーー!!!!」
慌てて叫ぶ明日葉と私。



