「あ、あ、あ、あのっ…!!い、今、下に詩優先輩に…あ、会いたいって人が来ていて……!!
そ、そ、その人が、か、か、奏太くんと…そ、そ、壮くんに……っ」
誠くんは息切れしながら必死に話す。
「もしかして雷龍に入りたいっていう野郎!?それなら詩優よりこの明日葉様が先に面接をしてあげようー!!」
明日葉は誠くんの言葉を最後まで聞かずに勢いよく部屋を飛び出していく、が……
「あーーーーーーーーーーっ!!!!!あんたは!!!」
すぐに聞こえてきた明日葉の大きな声。
急な大きな声にびっくりして心臓が大きく跳ねた。
…び、びっくりした……
明日葉の知り合いでもいたのかな……
それから、開いたドアから聞こえてきたのは
「あ~、あの時のロングヘアの雷龍ちゃん」
と言う男の声。
…こ、この声!!!!!
私はすぐに立ち上がり、走ってドアの外へと出た。
すると、下にいたのは……
前髪をピンで止めていて、金髪で、パーマがかかった男。
気だるそうに立っているその男は、忘れるはずがない。
私と明日葉の胸を触った痴漢男だから。



