世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





ぎゅっと強く自分の拳を握っていたら、詩優は抱きしめる腕の力を緩めて、「顔上げて」と言ってきた。



…今、絶対涙で顔がやばいことになってるかも




そんな心配があってなかなか顔を上げないでいたら、



「花莉」




名前を呼ばれて。
目元を手で拭ってから、ゆっくり顔を上げた。




真っ直ぐな目と合わさる視線。





「俺はどんな花莉も好きだけど、無理してる花莉は見たくねぇ。
頼むから…、いつもみたいにいっぱい食っていっぱい可愛い笑顔見せて。

俺からのお願い」




詩優の大きな手が私の頭の上にぽんっと置かれた。




「わ、私……これからもっともっと太るかもしれないよ…?」

「花莉はそんな心配いらねぇと思うけど、そんなに心配ならこれから公園デートとかしていっぱい歩こ。
いっぱい動けば大丈夫だから」





…公園デート。
すごく楽しそう……




た、確かに、食べたら動けばいいんだよね…?
今までは動かなかったから全部お肉になってたけど……




これからは食べたらちゃんと運動をすれば……