「花莉はまだまだ細いから」
上から降ってきた優しい声。
それは、優しい慰めの言葉。
今はそんな言葉はいらない。いずれ詩優に太ったってバレてしまうことだから…。
「ほんとに、ほんとに太ったんだから……詩優だって見たら絶対びっくりする……私のこと嫌いになっちゃう…」
「お前なぁ」
「太ったうえに…む、胸もないから……あの人が言うように私じゃ詩優を満足させられな────────────っ」
突然、強く抱きしめられた。
そして、
「…馬鹿花莉」
小さな声が耳に届く。
私は必死に声を出そうとしたが、
「アホ花莉」
と詩優に言われ、少し苦しいくらい強く抱きしめられた。
余計ぽたぽたと溢れ出る涙。
…もう、自分では止められない。



