残念なことに、羊を数えてもお腹の音は鳴り止まないし、眠気もやってこない。



こうなったら、お腹を満たすしかないのかも……。
水でもお腹いっぱいになるまで飲もうかな……。






仕方なく布団から出て、ベッドをおりる。

スリッパを履いて向かったのは、真っ暗なリビング。電気のスイッチを押すと、眩しいくらいの光が部屋を照らす。




光に慣れない目をこすって、冷蔵庫を開けると1番最初に目に入ったのは……








詩優が買ってきてくれたプリン。



見た瞬間、ごくり、と喉が動くのがわかった。



濃厚そうなカラメルソースに、ぷるぷるとしたプリンは、なんだかすごく輝いている。



…た、食べたい……



ぐぅ~

『これが食べたい』
と言ってるかのようお腹が鳴る。



す、少しだけ……
一口だけでも……




思わずその輝いたプリンへと手を伸ばす。