「さっき……痴漢男がいてっ、金髪で、パーマがかかった人……雷龍のトップに会わせろって…」
今できる精一杯の説明。
さっきのことを思い出すだけでも心が痛くて、怖くて……上手くは話せない。
「そんな命知らずがいるとは……」
倫也は何となく理解してくれたようで、そう言ってから明日葉を見る。
「それで、明日葉も触られて抜け殻になったのかー。
でも大丈夫だよ。明日葉ならこうすれば抜け殻じゃなくなるから」
倫也はそう言って笑ってから明日葉の背後に回って、何をするのかと思ったら……
バンッ!!!!!!
と思いっきり背中を叩いた。
するとすぐに、はっと意識が戻る明日葉。
瞬きを繰り返して、倫也を見て、私を見て。
す、すごい…っ!!!
これで本当に魂が戻って来るなんて…!!!
「あの野郎ーーーー!!!!!!ただじゃおかないんだからーーーー!!!!!」
明日葉は立ち上がると、すぐに走り出してしまいそうな勢い。
慌てて倫也は明日葉の腕を掴んで止める。