「ひめちゃん、さっきから震えてるよ」
ぽんぽん、と大きな手が頭を撫でてくれる。
…震えてる?
頭を下げたまま目を開けて、自分の手元を見てみたら……倫也の言うように、確かに私の体は小刻みに震えていた。
ぱっと顔を上げて、倫也を見ると頭を撫でてくれていた手は慌てておろされて。
「待って!!今のはナシ!!!」
何が何だかよくわからないが、とりあえず頷くとほっと安堵の息をつく。
それから明日葉を指さして、
「明日葉抜け殻みたいになってるけど、何があったの?」
隣にいる明日葉はまだ魂が抜けた状態のまま。
そ、そうだ……
さっきのこと話さないと……
「あ、あのね…!!!さっきね…っ、さっき…」
私が口を開くと、真剣な表情で「うん」と相槌を打つ。



