女性は寂しそうな表情で倫也の後ろ姿を見つめて、数秒後にはくるりと後ろを向いて早歩きで行ってしまった。
「ひめちゃんに明日葉、大丈夫?」
倫也は私と明日葉のもとまで来ると顔を覗き込んできた。
なんだか、倫也が大人に見える。
私服姿だから、というのもあるけど……さっきの光景を見てしまったから、という理由が1番大きい。
腕を組んで2人で歩いていたってことは、たぶんデートだろう。
だとしたら……
そんな2人のデートを邪魔しちゃった!?私たちがここに座り込んでたから絶対邪魔しちゃったよね!?
「ご、ごめんなさいっ!!い、今からでもデートに戻って…」
慌てて頭を下げる私。
本当に、今からじゃ遅いかもしれないけど……
走って追いかければ間に合うかもだし……



