世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





追いかけてきたらどうしよう、
捕まったはどうしよう、




不安でいっぱいだったが……
幸い、追いかけてくる足音は聞こえない。




知らない道を曲がって曲がって、しばらく走ったところで立ち止まり。
後ろを確認しても、やっぱり追ってきていないから……とりあえずひと安心。





「明日葉っ…」




乱れる息を整えながら、明日葉に声をかけると、力が抜けたかのように地面に座り込んでしまった。

私も隣に座ってちらりと顔を覗き込んでみると、下を向いて口を開けたままただ瞬きをするだけ。




まるで、魂が抜けたかのような状態。




さっき、あの人に触られたからだ……
と、とにかくまだ危ないかもしれないから…誰か、誰か呼んだほうが……









私はトートバッグの中のスマホを取り出り出して、連絡先を開こうとしたその時─────────