世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「そんなにうちの総長と喧嘩したいの?言っとくけどあんただったらすぐ詩優に殺されるから」



男の胸ぐらを掴んだまま言う明日葉。




「そんなめんどくさいことじゃないんだけどなぁ。族にキョーミあったから、見てみたいんだよね。
だからその…“シユー”?に会わせてほしいんだけど」




男は言い終わったあとに大きく口を開けて、呑気にあくびをひとつ。
明日葉はさっきよりも殺気立っているのに、全然怖がっていない。




っていうか、この男の言い方からして雷龍の総長の顔を知らないんだろう。もちろん幹部のことも、姫のことも。




「はぁ?ふざけてんの?」

「やっぱり姫じゃない貧乳に言っても無駄か」




はぁ、とため息をつく男に、明日葉はもう完全にキレたようで。




胸ぐらを掴んだまま拳を振りあげて殴りかかる


























───────────────が、明日葉の拳は男の手に掴まれて止められた。