世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「ごめんね、花莉」



歩きながら謝る明日葉。



「私も明日葉の弟気になるし、全然大丈夫だよ?」



そう返したら、「そういう意味じゃなくて…」と言う明日葉。



…どういう意味だろうか。

首を傾げていたら、明日葉は少し深刻そうな表情に変わる。




な、なんだろう……

ドキドキしながら明日葉の次の言葉を待っていたら、ゆっくり口を開いて。




「アキが『夜瀬詩優さんに惚れた』って毎日のように言ってたの……だから花莉のライバルになるかもしれないんだ…」




聞こえてきたのは、まさかの言葉。




「へ?」




予想していなかった言葉に思わず間抜けな声が漏れた私。




「アキはね、1か月前までは暴走族とかに全然興味なかったんだけど……

最近ね、アキが不良にボコられてたところを詩優に助けてもらったみたいで……そこで惚れたみたいなの」




明日葉の言葉が胸の中に響く。