世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





不思議に思っていたら明日葉は両手をパンっ!と合わせて。



「ほんっとにごめん!!うちの弟が勝手にバイク乗ってったみたいなの!!」



すごく申しわけなさそうな表情をして謝ってきた。



き、聞き間違いじゃなければ、今、明日葉は…
『弟』って言ったよね!?




「明日葉弟いたの!?」

「うちはあたしとバカでアホな弟の晃(あきら)と2人姉弟なの!!」




…まさかの弟。

明日葉と約1年も一緒にいるのに、姉弟がいるかどうかもわからなかったなんて…。お金持ちというのも知らなかったし…。




私、明日葉のこと何も知らないんだな…
今まで興味を示さなかった私が悪いんだけど…



少し寂しい気持ちが込み上げてくる。




「私のほうこそごめんね。1人で帰れたら明日葉に迷惑かけずに済んだんだけど…」




帰り道も分からないし、雷龍の姫ということもあって1人では帰れない。




「花莉は悪くないよー!!!うちのバカアキのせいだよーっ!!!」



明日葉はぎゅっと強く私を抱きしめた。