世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




明日葉の体力はすごいなぁ、
そして私の体力は全然ないな、

と改めて実感。



「じゃあ次は花莉が鬼ね!!!」

「お、お手柔らかに…」





「10数えたらスタートしていいよー!!」




そう言って、明日葉はすごい速さで歩いていく。




果たして、私は明日葉を捕まえることができるだろうか…
が、頑張ろう…




それから10数えて、明日葉を追う私。










…あれれ?

追いかけているはずなのに、どんどん遠のいていく明日葉の背中。やっぱり、明日葉がはやすぎて追いつかない。




「頑張れ花莉ー!!!ここだよー!!おいでー!!」




明日葉は立ち止まり、くるりと後ろを振り向いて手を広げて私を呼ぶ。




「ま、待って…っ!!」



明日葉が止まっているうちに距離を縮めようと足を動かす。
あともう少し、あと2歩で手が届く、というところで明日葉はまた歩き出して…。







私は明日葉を捕まえることができなかった。