世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





一旦タイマーを止めて、起き上がる。




誰かに押さえてもらうことはできないから…何か代わりになるものがあればいいんだけど……。
どこかの隙間に足を入れてやるとか……




きょろきょろと辺りを見渡すと、目に入ったのは




足を入れるのにちょうどよさそうな、ソファと床の、5センチくらい空いた隙間。




ここに足を入れよう…!!




隙間につま先を入れて、膝を立ててから上体を床につける。
マットは敷いてないから少し痛いけど、これならさっきよりは改善されたはず。




気を取り直してタイマーを1分にセットして、スタートボタンをタップ。







お腹に思いっきり力を入れたら……

今度こそ起き上がることができた。




やっぱり足を押さえるのって大切なんだ
と思い知らされる。





2回、3回……と上体起こしを繰り返していくうちに、早くも限界に近づいていく私の腹筋。




あ、あと1回…!!
あと1回で10回なの…!!




精一杯お腹に力を入れるが、少しだけ背中が浮いただけで10回目を起き上がることができず…力は抜けて、






ゴンっ!!!
と後頭部と背中が床へとぶつかった。