「ち、違うの!!詩優とキスするのが嫌とかじゃなくて…っ!!」



慌てて誤解を解く私。
それでも詩優はこっちを見てくれなくて、抱きついた彼の腕を引っ張る。



「詩優とキスするのはむしろ好きだよっ!!
き、昨日の夜から、ずっと詩優にドキドキさせられてばかりだったから、心臓が壊れないかなって心配になっただけで……」




思ったことを全て伝えたら、詩優はやっと振り向いてくれて。



「へぇ?」



楽しむかのように口角を上げている。



「!?」



まさか……!!
私に本音を言わせて楽しんでる!?




詩優がゆっくり顔を近づけてくるから、私は抱きついた腕を解いて、少し距離をとる。
でもその少しあけた距離はあっという間に詰められて、またまた密着。




「い、今の聞いてたよね…?」



ドキドキしすぎて心臓が壊れないか心配、って言ったはずだ。

なのに詩優は「ん?」と言いながらまた顔を近づけてくる。