世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




い、今、おはようのキス、って言った!?
絶対言ったよね!?聞き間違いじゃないよね!?



だとしたらな、なんで!?
おはようのキスならさっきしたよね!?



「さ、さっきしたよね…?」



確かめるように詩優を見つめた。
だけど詩優は、



「おはようのキスは1回だけなんて決まりねぇだろ?」



口角を上げてそう答える。



た、確かに…!!1回だなんて新生活のルールに書いてなかったけど…!!
普通1回だと思うじゃん…!!






詩優の腕にさっきよりも強く抱きついて、キスされないように下を向く。




昨日の夜も、今日の朝もこんなにドキドキさせられて、私の心臓はこれから大丈夫かな……











「そっかー。花莉は俺とキスすんの嫌かー。じゃあしょーがねぇーなー」



下を向いていたら、詩優がそう大きな声で言う。



「!?」



私が顔を上げると、詩優はぷいっとそっぽを向く。




き、キスするのが嫌だと思われた…!?
わ、私の態度が悪かったからそう思わせちゃったのかな!?