い、今、おはようのキス、って言った!?
絶対言ったよね!?聞き間違いじゃないよね!?
だとしたらな、なんで!?
おはようのキスならさっきしたよね!?
「さ、さっきしたよね…?」
確かめるように詩優を見つめた。
だけど詩優は、
「おはようのキスは1回だけなんて決まりねぇだろ?」
口角を上げてそう答える。
た、確かに…!!1回だなんて新生活のルールに書いてなかったけど…!!
普通1回だと思うじゃん…!!
詩優の腕にさっきよりも強く抱きついて、キスされないように下を向く。
昨日の夜も、今日の朝もこんなにドキドキさせられて、私の心臓はこれから大丈夫かな……
「そっかー。花莉は俺とキスすんの嫌かー。じゃあしょーがねぇーなー」
下を向いていたら、詩優がそう大きな声で言う。
「!?」
私が顔を上げると、詩優はぷいっとそっぽを向く。
き、キスするのが嫌だと思われた…!?
わ、私の態度が悪かったからそう思わせちゃったのかな!?



